野球肩における肩甲骨と上腕骨(腕の骨)の関係についてお話します。
まず、痛みが出にくい位置関係についてです。
肩甲骨の骨に、肩甲棘と呼ばれる骨があります。
ちょうど、うしろから肩甲骨を触ると、内側から斜め横に向かってとがった骨(写真の①)が続いているのがわかると思います。
この骨の向いている方向を観察します。
そして、上腕骨(腕の骨:写真②)が写真①の線上に位置していると、肩甲骨上で上腕骨がしっかり安定している可能性があります。
この位置で腕の骨を捻る動きが起きると、痛みが出にくくて力が入りやすくなります。
次に痛みが出やすい位置関係です。
写真のように、①のラインと②のラインが一致しておらず、ずれが生じており、上腕骨が前の方にずれやすい位置関係となっています。
この位置では、肩関節の安定性が欠如しやすい状態となり、力の伝達が上手くいかずに肩関節の構造破綻を生じる可能性があります。
軟骨や関節内部に何らかの損傷を生じる可能性があり、痛みが出やすい位置になります。
<文責>
常盤直孝
・宮崎県野球協議会理事
・宮崎県理学療法士会理事